題 名:第75期営業報告書、貸借対照表、損益計算書の内容の報告

発言者:担当役員

【変化と対応 代表取締役社長 向山孝一】

2000年1月、KOAグループは創業65周年に向け会社のあるべき姿を表わす三つのビジョンを掲げました。
一つ目はお客様から期待される特長ある技術力と開発力を持つ会社になること、二つ目はお客様の心を満たす品質とものづくりができる会社になること、三つ目は全世界のお客様へ業界最高レベルのサービスができる会社になり、その結果、お客様の信頼を勝ち取って、強いパートナーシップをお客様との間に築き上げようというものです。
しかしながら、我々を取り巻く環境が2000年度後半より大きく変化いたしました。
それは、ドットコムバブルの崩壊による需要の大幅減、EMSと呼ばれる製造受託企業の台頭、日本や欧米企業のアジアへの生産シフト、そしてアジアのローカル企業の台頭です。
これらの変化により、2001年度に赤字に転落いたしました。KOAグループは、1985年のプラザ合意による円高で3期連続赤字、2期連続無配となりましたが、現在、それに続く第5の危機に直面しております。
この危機を乗り越えるためKOAグループでは、収益性の向上、事業構造の変革に向けた様々な取組みを行っております。その取組み内容につきまして、これから各取締役から発表させていただきます。
発表の前にKOAグループの経営管理体制についてお話をさせていただきます。
KOAグループは連結全体最適を基本とした戦略を立案する7つのイニシアティブと、エリア・製品群によって分けられた業務執行責任を持つ10のビジネスフィールドに分け、経営しております。
経営の推進と管理は、毎月の取締役会と、四半期に一度開催される連結経営戦略会議にて行っております。 (所要時間20分)

【グローバル・マーケティング
国際マーケティング担当取締役 スコット・ライス】

この一年、国際マーケティングIVは、四つの目標達成にむけて重点的に活動を行いました。
第一に汎用品の収益性最大化であり、第二にアプリケーションビジネスの構築・プロダクトマーケティングであり、第三にグローバルキーアカウントと位置付けるお客様にご指名いただくことであり、第四にシフトビジネスの獲得です。
シフトビジネス獲得を狙い、戦略的なサプライヤー関係を維持するためにとったアクションの顕著な例として、世界最大のEMSであるフレックストロニクスとのものが挙げられます。
KOAスピア、KOAヨーロッパ、KOA香港によるグローバルな連携と、一連の素早い対応により、同社とのビジネスにおいて、シェアを維持することに成功したのです。
さらに、同社が手がけるX−boxのカスタム部品の在庫移動もKOAグループ内で行うことができました。
この事例におけるクォリティファーストとは、KPS2のビジョンに掲げている、全世界のお客様へ業界最高レベルのサービスを提供することであり、それは、グローバルなお客様の生産シフトに対応し、KOAグループ内のビジネス維持に結びつくということを物語っています。 (所要時間9分)

【日本市場への対応 営業担当取締役 伊賀憲三】

2002年度の活動は、お客様の色々なご要求にスピードときめ細かな対応で信頼関係を構築する事にありました。
営業のみならず、技術・品質部門との連携強化のもと、マーケットや製品知識や技術力強化の学習を行ってきました。
また、お客様のご満足を頂く為に、お客様の声を聞くこと、提案力と対応力のスピードをつけることに重点をおき活動をしてまいりました。
その活動の成果につきまして、具体的な事例をもとにご紹介させていただきます。
工作ロボットメーカーの世界的メーカーF社様の緊急事態に会社を挙げて対応すべく、社長をリーダーとするプロジェクトチームを結成、グローバルなチーム編成にも関らず、驚異的なリードタイム短縮により、僅か7日間で製品をお届けする事ができ、お客様に安心と信頼を提供しました。その後のお取引は3倍に拡大し、今も拡大中です。
パソコンのトップメーカーS社様とのビジネスでは、私達は柔軟かつスピーディーな技術対応とコストダウンを実現し、100%切替えに成功しました。
その後S社様の他の事業部様にもご紹介を頂き売上を大幅に拡大することが出来ました。 (所要時間6分)

【クオリティ・ファースト 品質生産担当取締役 辻 順二】

製品、サービスの品質を疎かにすれば、お客様との信頼関係が崩れ、明日のKOAは築いて行けません。
こうした流れの中、我々は2002年度よりクォリティファーストを前面に掲げ、改善に取り組んで参りました。
クォリティファーストとは、「不良を入れない・つくらない・出さない」ということです。
基本に立ち返り、当たり前のことが当たり前にできるよう改善を進めた結果、マーケット・お客様に対して、ライバルとの差別化において、収益性の向上において大きな成果を得ることができました。
さらに、ワールドワイドでこれに取り組んできたことで、アジアのマーケットにおける競争力を向上させることもができました。
クォリティファーストは、KOAグループのなかに新しい文化を創り出していく活動です。今後も地道な活動を継続して、さらに成果を積み重ねて参ります。
ところで、昨年設立したKOAチャイナは、中国事業の全体最適を目指して、専任の現地スタッフの採用と教育、グループ共通の改善手法の活用、中国市場におけるマーケティング活動等、本格的にその活動が始まったことをご報告しておきます。 (所要時間8分)

【選択と集中による技術・開発の強化 技術担当取締役 小笠原英夫】

私は昨年から引き続きKOAグループ技術全体の開発テーマの選択と集中による技術・開発の強化を行って参りました。
競合他社との差別化を図るため、特長ある製品開発にリソースを重点配置し、弊社独自の積層セラミックス製品、金属超低抵抗製品、小形チップヒューズ、厚膜低抵抗製品をお客様にご提案して参りました。
また、研究開発投資は不況下でも対前年比約10%増を維持してきております。
そして新しい開発管理技術及び他社との協業により、市場の要求するユビキタス、ブロードバンドネットワーク用の部品開発を推進して参ります。
本年度も、市場に密着した製品開発の為にお客様訪問機会を増やし、お客様に認めて戴ける差別化されたアプリケーションビジネスに開発リソースを集中します。
その為により一層の基盤・要素技術(材料・プロセス)とナノテクノロジーの研究開発を強化しますと共に、新製品はすべて地球環境を考えた鉛フリー対策を実施して参ります。 (所要時間3分)

【企業体質強化 管理・人事教育担当取締役 深野 香代子】

現在の苦境を乗切る為、@社員の意識改革とスキルアップ、A経費削減、B新しい仕組みづくり(環境ISO14001生産拠点全11社の認証取得完了、
連結ベースでの情報システム構築の継続、四半期決算の対応準備、新退職年金制度の構築、ノウハウを権利化し収益へ結び付ける活動)、CSARSやテロからグループの社員・家族の命を守る活動などさまざまな取組みをしてまいりました。
こうした中で一番注力してきたのが人財育成です。
KOAグループの研修には、営業、生産、品質、技術部門がそれぞれ現場に近いところで、目的意識を持って実践勉強会を開催する部門研修と、その土台をなすマネジメントスキル向上を中心とした人事主催の各種研修があります。
それぞれの研修を通して、ひとりひとりの意識改革やスキルアップを図ると同時に、自主・自立を高め、グループ全体の「体質強化」に拍車をかけ、「ひととなり」を育むKOAオリジナルの教育ができればと、分野ごとに毎年カリキュラムの優先順位を決め実施しております。
更に今年度からは、将来の人財育成、創出に向けて経営資源を投入していこうと考えております。
最後になりましたが、クォリティファーストは製品の品質のみならず、企業の品質、人の品質をも表しております。
私共管理・人事部門の活動は、如何にひとりひとりの「品位」「品格」を向上させ、最終的に「企業格」を向上させるかを絶えず意識し、目標としております。 (所要時間6分)

【財務諸表と総括 代表取締役社長 向山孝一】

今回の第5の危機をクォリティファーストをベースとした収益性の向上と、事業構造を変革する新たな機会の創出のチャンスととらえ、
全グループ社員と一丸となって株主の皆様のご期待に沿えるよう邁進してまいりますので、今後ともご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 (所要時間13分)